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公害にならない為に…

薪ストーブ公害?

煙を吐き出す煙突
近所の家で使われている薪ストーブからの煙で困っているという、薪ストーブを使ってい
ない妻の友人からの相談を受けました。

煙は以前から酷く洗濯ものに臭いが着く、近隣では喉が痛くなるなどの健康被害まで出ているとか。
昨年に近所数軒で当該薪ストーブユーザー宅(以後、当該ユーザー)へ煙を出さないように申し入れたそうです。
その際、当該ユーザーからは「使用は夕方から夜に限ります。」という表明があり一件落着を見たようですが、今年に入り朝から日中もモクモクと焚いているそうです。

それを先日もう一度、話が違う旨を申し入れたそうですが、悪びれずにそんな約束していないという事で物別れに終わったそうです。

そんなに薪ストーブは煙が出るものなのか?
止めさせる方法はないのか?
法的にどうなのか?という非常に残念な内容の相談でした。(*_*;

法的には判例を聞いた事もなく何とも言えないですし、止めさせる強制力があるのかどうかも分からず答えられませんでした。 一方の話だけでは分からない事もあるでしょうし…
ただハッキリ言える事は焚き方で煙は大幅に減らせるという事です。

そこはこの薪ストーブユーザーに伝えたいところでしたが…


燃焼のメカニズム

煙が出る、消えるのメカニズムを知る事ができれば意図しない煙の放出は大幅に抑制出来ると思います。
これを知らなければ、どんなに高性能と言われる薪ストーブでも近所の公害発生機になりえます。



煙が出る要因は大きく分けて…
  1. 薪の乾燥不足 (乾いているほど煙出ない)
  2. 酸素の供給不足 (通称:絞り過ぎ)
  3. 炉内の温度不足 (1、2、と密接に関係)
  4. 薪の作り方・薪のくべ方
  5. 近所への配慮不足 (d(^-^))

薪の乾燥不足

乾燥不足では薪の持つ水分が悪さをします。
湿っている事で薪が燃えづらく、気化熱の法則の通りに熱を奪いますので炉内温度上昇を妨げます。
薪は不完全燃焼を起こし続け煙を出し続けます。

酸素の供給不足

空気を絞り過ぎの燃焼状態/3年前位迄はこんな焚き方が喜ばれてた…
高性能と言われる薪ストーブ程に気を付けなければならないと思います。
炉内気密がシッカリしていて空気調整がきっちり効くタイプですね。
更に言えば燃費が良いと言われたりする高性能薪ストーブ達ですね(^3^)/

燃焼は酸化現象の激しい状態ですから酸素が減ると衰えます。
自動車やチェーンソーの燃料では空燃比(クウネンヒ)という言葉があり燃焼に最適な燃料の比率があり理論空燃費といいます。
この理論空燃費から前後いくつかの比率までは良好な燃焼をしますが、空気を絞り過ぎてあるラインよりは不完全燃焼を起こします。
不完全燃焼が続く程、炉内温度が上がりづらくなります。

燃料の消費を抑えたい気持ちや、空気を絞った際に見える独特の炎のユラメキがあり(3年程前までは気密の良いストーブが少なく酸欠気味の焚き方が一世風靡していました。当時は私もそれが良いと思ってました。、それを見たさで空気を絞り過ぎると、コントロールが効く薪ストーブ程に空気不足状態へ簡単に飛び込みます。(-_-;)
絞り具合≒燃焼状態でどの程度の煙が出るのかを目視で確認する事で感覚的に空燃比調整ができるように経験値をためる事で間違いのない操作が出来るようになります。

炉内温度の不足

炉内温度はこれまで触れた通り1、2番目と因果関係があります。
薪はそのものが燃えていると言うよりは、薪から出てくるガスが燃えています。
ガスが燃えきれずに残ったものが煙と呼ばれるようになります。
ガスが効率的に燃える、発火させるため≒酸化現象促進するためには適切な酸素と熱を必用とします。
熱は高ければ高いほど酸化現象を促進するので炉内温度が低いと煙は発生しやすくなります。
煙を出さない為には薪ストーブが痛まない範囲で高温を保つ事が必要です。
炉内温度が低ければ、薪ストーブ本体も暖まらないので部屋も暖まりません。(´ω`*)

薪の作り方・くべ方

ただのイメージカット(笑)
補助的な事ですが、薪が太過ぎると乾燥が充分に行き届かなくなり易いので、最適な乾燥
具合や程よいサイズにする必要があります。

そして薪のくべ方も煙の発生を助長する事があります。
隙間なく並べると薪の間を酸素が通らず不完全燃焼しやすくなります。
特に着火した初期からの焚き付け時、炉内温度が低い段階では顕著です。
そして炉内の広さに応じた分量の薪を投入する必要もあります。
少ないとチョボ焚きなどと言われたりして炉内温度があがらず、これも煙が発生しやすくなります。

このあたりの焚き付け方法を基礎的なテクニックとして身につけておくことで煙の排出を抑えられます。
薪ストーブのクリーン性能は正しい使い方をした前提で発揮できる、早く、安定して煙を出さない性能です。
薪ストーブは基本的に着火初期の煙は出るものですが、短時間で煙のない燃焼に出来るかどうかはユーザーの使い方次第です。


近隣への配慮


全ての要因は相乗関係にあり、煙を出して焚いてる人は上記の項目にほとんど当てはまっているケースが多いと思います。
知らないから、分からないからできない、気付けずにそうなってしまうのでしょう。

これが5番目の要因ですね(苦笑)

山の一軒家なら気にする必要はないですが、住宅街で薪ストーブを使用すると言うことは回りへの配慮は必須です。
ユーザーからすれば薪の燃えるいい臭いでも、近隣の方からすれば何かの燃える嫌な臭い位の受けとり方の違いはあるはずです。

配慮がたりず公害になり問題が大きくなれば自治体が動き、国が動いて薪ストーブ使用禁止となればせっかくの楽しみが台無しになるでしょう‼


取り扱うハンターストーブの故郷である薪ストーブ先進国イギリスでも禁止条令が出た経緯もあります。
今では厳しいルールのもとで薪ストーブの使用が認められてます。
個人的にですが明文化されたルールもいいですが、煙を出さないという暗黙のルールのもとで日本の薪ストーブ文化が深まる方がより良いような気がします。(*´ω`*)

薪ストーブを検討していて、このブログをご覧になった方には煙を出さないという考え方を知ってもらいたくて長々と書きました。

より詳しく知りたい方は信頼できる薪ストーブショップに聞く事を強くお薦めいたします。 ※特に詳細は、設置環境や薪ストーブ機種で差あります。

最後までお付き合いありがとうございます。

前談のユーザーにも伝われば幸いです…


コメント

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